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熊野古道

上富田地域 大塔地域 中辺路地域
 

大辺路は、中辺路ルートよりも遠い道のりになっています。
宿屋や茶屋もあまり無かったため、巡礼者は多くなく、
海岸沿いの美しい景観に惹かれた文人や墨客が多かった様です。



大辺路ルートの始まりである富田坂のスタートは、富田地区の草堂寺からです。 もと真言宗の円光寺、慶安元年(1648)に再興、臨済宗に改宗し、草堂寺となりました。
現本堂は天明六年(1786)九月に建築された方丈建築で、翌年に京都の著名な絵師・丸山応挙の弟子である長沢芦雪が訪れ、ふすま絵や屏風絵を、数多く描きました。
この草堂寺の趣ある石積みの塀の横からが、富田坂です。
富田坂は辻松峠まで、約5km続いています。

 

八上王子跡<やがみおうじあと>

祭神は天照大神。建仁元年(1201)に、後鳥羽院の熊野御幸に、「ヤカミ王子」と出てくるのが、この王子です。
古くから熊野九十九王子の頭王子として伝えられています。
境内には
「まちきつる 八上の桜 さきにけり あらくおろすな 三栖の山風」
という、歌碑があり、これは西行法師が熊野詣の最中に来た際に、桜の花を詠んだ歌です。
しかし残念ながら、この歌に詠まれた桜の木は、現在ありません。
また、毎年11月23日には県の無形文化財指定の獅子舞が奉納されます。

  稲葉根王子跡<いなばねおうじあと>

九十九王子の中でも社格の高い五体王子と称されています。

(説明板より)
藤原宗忠の日記『中右記』の天仁二年(1109)十月二十二日条に、「稲葉根王子社に参り奉幣」とあるのが、この王子の初見です。
建仁元年(1201)、後鳥羽上皇の熊野参詣に随行した藤原定家は、十月十三日に稲葉根王子に参拝していますが、この王子では、五躰王子に準じて、儀式が諸事華やかであったと日記に書いています。
承元四年(1201)四月二十八日修明門院が参詣した際には、この王子を五躰王子としています。室町時代にも五躰王子として存続し、足利義満の側室・北野殿が参拝した折りには、神楽が奉納されています。近世には、「岩田王子」ともいわれ、村の産土神として祀られていました。拝殿が設けられ、末社に稲荷社を付帯していましたが、
大正四年(1915)に岩田神社に合祀されました。現在の社は昭和三十一年(1956)に遷社したものです。
 

  一ノ瀬王子跡<いちのせおうじあと>

ここの王子も五体王子の一つで、みそぎを行う場所でした。
一ノ瀬とは、熊野に入るためのみそぎをする最初の川瀬の事で、ここからさらに
二の瀬、三の瀬と苦行の垢離を重ねて古道は続いていったのです。
 

(説明板より)
建仁元年(1201)十月十三日、藤原定家は、徒歩で「石田川」(岩田川=富田川)を渡り、この王子に参拝しています。平安・鎌倉時代の熊野参詣では、岩田川の瀬を何度も何度も渡り、滝尻まで行きます。最初に渡るのが一ノ瀬です。
天仁二年(1109)に参詣した藤原宗忠は、十九度も渡っており、上皇や女院も徒歩で渡ります。この川の水で身を清める為です。「女院が渡る時は、白い布を二反結び合わせて、女院が結び目を持ち、布の左右を殿上人が引いた」と、応永三十四年(1427)に参詣した僧実意は日記に書いています。
その後、この王子社は荒廃し、江戸時代に再興されて、市瀬王子社、別名、清水王子・伊野王子などと呼ばれていました。明治時代に合祀されましたが、昭和四十四年(1969)に現在の様に整備されました。


熊野古道〜大塔地区〜
 


鮎川王子跡<あゆかわおうじあと>

国道311号線のバス停付近に碑だけが残っています。
鮎川王子は明治7年に住吉神社に合祀されました。
<案内板より>
藤原定家は、建仁元年(1201)十月十三日、この王子に参拝し、日記には
「アイカ王子」と書いています。鮎川王子と記されているのは、承元四年(1210)に熊野に参詣した藤原頼資の日記です。
アイカも鮎川も、合川(川が合流する所)に由来する様です。
頼資は修名門院に随行して熊野参詣をしたのですが、鮎川付近で災難に遭遇しました。
四月二十八日、台風雨の中、田辺を出発した一行は、石田河の一の瀬を渡った頃から、川が増水しはじめ、頼資は鮎川王子に辿り着きますが、六の瀬の付近で溺死者が出たのです。
随行した公卿の従者等九名が命を落とし、女院も急遽予定を変更して、真奈子(中辺路町真砂)に宿泊しています。
江戸時代には王子社と言われ、拝殿を備えていましたが、明治時代には住吉神社に合祀されました。跡地はその後、崩壊して原形を留めず、石碑が建つのみです。
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