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熊野古道

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  箸折り峠と牛馬童子像

大坂本王子から谷川に沿って国道311に出ます。そこから登り坂で箸折り峠に着きます。この場所は、里を取り囲む山が見られたので、旅人には良い休憩場所となっていました。後に花山法皇の法衣とお経を埋め、建てられた宝篋院塔があります。その側に、牛馬童子像があります。牛と馬にまたがった姿は、「苦しい時は牛の様に粘り強く、楽な道は馬の様に軽快に」という山歩きの心得を教えてくれている様にも感じられます。

(説明板より)
箸折峠のこの丘は、花山(かざん)法王が御経を埋めた処と伝えられ、またお食事の際カヤの軸を折って箸にしたので、ここが箸折峠、カヤの軸の赤い部分に露がつたうのを見て、「これは血か露か」と尋ねられたので、この土地が近露という地名になったという。こここの宝筺印塔は鎌倉時代の者と推定され、県指定の文化財である。石仏の牛馬童子は、花山法王の旅姿だというようなことも言われ、その珍しいかたちと可憐な顔立ちで、近年有名になった。そばの石仏は役ノ行者像である。

近露王子跡

牛馬童子の箸折り峠から下って、日置川を渡った所にあるのが近露王子です。
かつては産土神としてもまつられていました。
近露は田辺と本宮の中ほどに位置し、あたりが盆地となっていたので食料にも恵まれ、
熊野詣での宿場としてにぎわっていました。

(説明板より)
永保元年(1081)十月、熊野に参詣した藤原為房は、川水を浴びた後、「近湯(ちかつゆ)」の湯屋に宿泊しています。王子社の初見は、藤原宗忠の日記、天仁二年(1109)十月二十四日条で、宗忠は川で禊をした後、「近津湯王子」に奉幣しています。このように、古くは「近湯」「近津湯」とありますが、承安四年(1174)に参詣した藤原経房の日記以降は、「近露」と書くようになります。
建仁元年(1201)十月、後鳥羽上皇の参詣に随行した藤原定家の日記によれば、滝尻について、近露でも歌会が行われています。
定家は、川を渡ってから、近露王子に参拝していますので、上皇の御所は右岸にあったようです。
承元四年(1210)、修明門院の参詣に随行した藤原頼資の日記でも同様で、女院は四月二十九日に宿所に着いて、「浴水・禊」をし、翌五月一日に王子社に参拝しています。
このように、近露では宿泊することが多く、川水を浴びた後、王子に参拝するのが通例でした。江戸時代には、若一(じゃくいち)王子権¥現社と呼ばれ、木造の神体が安置されていたようです。明治時代には王子神社となりましたが、末期に金比羅神社(現、近野神社)に合祀されました。なお、跡地の碑の文字は、大本教主出口王仁三郎の筆によるものです。

  比曽原王子

(説明板より)
藤原忠宗が熊野に参詣した天仁二年(1109)には、近露王子から中川王子までの間に王子社は見られず、この王子はそれ以降に出現したとみられます。建仁元年(1201)十月、後鳥羽上皇の参詣に随行した藤原定家は、近露王子についで「ヒソ原」王子に参拝しています。また、承元四年(1210)四月、修明門院に随行した藤原頼資も、近露王子についで「檜曽原」王子に参拝しています。鎌倉時代末期の「熊野縁起」(仁和寺蔵)以降は、比曽原王子と書かれますが、早く荒廃したようで、紀州藩は享保八年(1723)に緑泥片岩の碑を建てています。現在は、この石碑から跡地を偲ぶのみですが、「紀伊続風土記」には、かつて境内に「手枕松」という名木があったという伝承を載せています。明治末期に石碑だけの比曽原王子神社として、金毘羅神社(現、近野 神社)に合祀されました。

継桜王子

(説明板より)
藤原宗忠は、天仁二年(1109)十月に熊野に参詣した際、「道の左辺に継桜の樹あり、木は檜で、誠に希有なこと」と、日記に記しています。
檜を台木とした桜が生長していたものとみられます。建仁元年(1201)十月に後鳥羽上皇に随行した藤原定家の日記、あるいは承元四年(1210)四月、修明門院に随行した藤原頼資の日記には、「続桜」王子とありますので、鎌倉時代にはこのめずらしい木の傍らに王子が出現したようです。
ただし、藤原宗忠の参詣記では、仲野川(現、野中川)を何度か渡るようにし記していますので、この王子社はその後現在地に移されたことも考えられます。江戸時代には若一王子権現とも呼ばれ、また、社前の桜樹は「接桜(つぎざくら)」、更には「秀衡桜」ともいわれて名木となっていました。
王子社から約百メートル東にある現在の秀衡桜は何代目かにあたり、明治中期に植えられたものです。明治時代には王子神社となり、末期に近露の金毘羅神社(現、近野神社)に合祀されましたが、社殿は残り、後に神体も戻されました。
境内にある九本ほどの杉の大木は、枝がすべて南向きに伸びているため、「一方杉」と呼ばれています。神社合祀の際に、南方熊楠らの保存運動によって残され、現在はこの神社に奉納される「野中の獅子舞」とともに、県の文化財に指定されています。
桜はもともとは境内にありましたが、明治二十二年風水害で倒れた為に、現在の位置に植え替えられました。

  野中の清水

野中の清水
継桜王子付近の断崖の下に野中の清水があります。全国名水100選にも選ばれています。
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